前世はアレクサンドリア図書館の学者だった?科学と哲学で考える前世の謎

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おすすめポイント

  • 「前世は存在するのか?」を科学と哲学、それぞれの視点から考える不思議な会話劇
  • フェルミ推定や論理的思考を交えながら、一つの謎に迫っていくテンポの良いストーリー
  • 最後まで真実が分からない、思わず考察したくなる余韻のある結末

登場人物紹介

  • アン:科学担当。冷静な観察力と論理的思考を武器に、あらゆる出来事を分析する。
  • レン:哲学担当。素朴な疑問を投げかけ、本質を探ろうとする好奇心旺盛な姉。

目次

前世は存在するのか?

レン

「アン、前世って本当に存在すると思う? 私は生まれ変わりがあったら面白いとは思うけど、証拠がないから半信半疑なんだ。アンはどう思う?」

アン

「存在すると思う。というより、私は存在すると確信してる。理由は一つ。私には前世の記憶があるから。」

レン

「えっ、本気で言ってるの? 冗談じゃなくて、本当に前世を覚えてるってこと?」

アン

「本気。私の前世は、古代アレクサンドリア図書館で世界中の知識を記録し、未来へ残そうとしていた学者だった。その記憶だけは、今でもはっきり残ってる。」

レン

「古代エジプトの世界最大の図書館って言われた、あのアレクサンドリア図書館? だからアンはそんなに物知りなの?」

アン

「そこは少し違う。前世の知識を全部覚えてるわけじゃない。本の内容も、研究したことも、人物の名前もほとんど忘れてる。でも、一つだけ消えなかったものがある。」

レン

「何が残ったの?」

アン

「考え方。まず観察する。次に仮説を立てる。足りない情報はフェルミ推定で補う。最後に矛盾がないか確認する。その思考法だけが、今の私にも残ってる。」

レン

「なるほど。それで私は疑問を一つ聞くだけなのに、アンは筋道を立てて答えを組み立てられるんだ。答えを知ってるんじゃなくて、答えの見つけ方を知ってるってことか。」

アン

「その通り。私は物知りなんじゃない。前世で身につけた考え方を、今も無意識に使ってるだけ。」

レン

ところでアンは前世は何歳まで生きたの?

アン

「四十五歳。」

レン

「今は十三歳だから……。」

アン

「私の感覚では五十八歳。だから同級生と話していても、ときどき『ずいぶん若い考え方だな』って思ってしまうことがある。」

レン

「前世の年齢を足す人なんて初めて見たよ。」

アン

「私の中では、一つの人生が途中で終わって、続きを今生きてる感覚だからね。」

レン

「でも証拠はないんでしょ? 科学なら証拠がないものは信じないんじゃない?」

アン

「科学として証明はできない。でも、私自身にとっては昨日の記憶と同じくらい自然な記憶なんだ。だから私は疑ってない。」

レン

「もしその話が本当なら、一つ気になることがある。」

アン

「何?」

レン

「アンは自分の前世だけじゃなくて、他の人の前世も分かるの?」

アン

「全部じゃない。でも、一人だけ知ってる。」

レン

「誰?」

アン

「お姉ちゃん。」

レン

「……私?」

アン

「私は、お姉ちゃんの前世も知ってる。」

レン

「ちょっと待って。本当に? 私の前世って何だったの?」

アン

「何も知らない少年。」

レン

「少年!? しかも何も知らないって、ずいぶん失礼じゃない?」

アン

「文字も読めなかった。計算もできなかった。でも毎日図書館へ来ては、『なんで空は青いの?』『なんで星は動くの?』『なんで人は考えるの?』って、一日中質問ばかりしてた。」

レン

「何も知らないのに、そんなに質問してたの?」

アン

「何も知らないからこそ質問できた。知識はなかった。でも、お姉ちゃんの『なんで?』は、どんな学者でも思いつかない問いもあった。その問いが、新しい研究や発見のきっかけになっていた。」

レン

「なんか今の私と全然変わってないね。」

アン

「変わってない。前世でも今でも、お姉ちゃんは知識を集める人じゃない。知識を生み出す『問い』を生み出す人だった。」

レン

「じゃあアンは答える人で、私は質問する人だったってこと?」

アン

「そう。私は知識を未来へ残す学者。お姉ちゃんは世界を変える問いを生み出す少年。役割は違ったけど、二人で一つだった。」

レン

「その話、私は信じ切れないな。証拠もないし、夢だった可能性もあるし。」

アン

「もちろん、科学では証明されていないよ。でも、世界にはまだ科学で説明できないこともたくさんある。だから私は、『絶対にない』とも言い切れないと思ってる。」

レン

「じゃあアンは、本当に前世はあると思ってるんだ?」

アン

「うん。私はあると思ってる。」

レン

「……でもさ、一つだけ思った。」

アン

「何?」

レン

「もし本当に私が前世で何も知らない少年だったなら、二千年たっても成長してないってことじゃない?」

アン

「お姉ちゃんの前世は『何も知らない少年』だった。」

アン

「でも今は、『何も知らないことを知っているお姉ちゃん』になった。」

レン

「……なあ、アン。」

アン

「何?」

レン

「この前世の話、本当のことなのか?」

アン(少し笑って)

「……なんてね。」

前世は本当に存在するのか、それとも人間が作り出した物語なのか あなたは、前世を信じますか?

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